◆再編されるバス製造業◆

日本のバス製造業界は、需要減少による製造台数減少などにより、ここ数年で再編や変化されています。
もともと、かなり以前から再編を繰り返してきたバス製造業界ではありますが、近年では特に大きな変化
が現れています。近年の主な大きな動きをみてみましょう。


●日産ディーゼル 指定ボディーメーカーの変化


日産ディーゼルは2002年度まで、富士重工業と西日本車体工業の車体が指定メーカーでした。
富士重工はバス車体メーカーとしては大手で、日産ディーゼル以外にも、いすゞにも多く、また
比較的少数ではあるものの、三菱・日野にも架装されました。しかし、主力の乗用車などの製造
に重点をおくため、シャーシメーカーの車体系列化、さらには日産ディーゼルが合理化の一環と
して富士重工への発注を中止して西日本車体に一本化した事などで、業績が伸び悩んでいた
バス車体の製造部門から2002年度をもって撤退しました。この関係で、日産ディーゼルは
西日本車体(西工ボディー)が専属指定メーカーとなりました。それまで西工は主に九州を主体
に関西以西での展開でしたが、日産ディーゼル+西工ボディーとなった事で、全国規模のメー
カーとなりました。従来から納入の事業者には他の3社(三菱・日野・いすゞ)への架装も行われ
ていますが、日産ディーゼルへの比率が高くなっています。また、全国展開となった事により
寒冷地仕様などそれまでになかった取り組みも新たに行われています。

●日野といすゞの統合 ジェイ・バス誕生

もうひとつの大きな動きとしては、日野といすゞのバス事業協業化で、両社は2004年に統合
会社「ジェイ・バス」として本格的に展開を始めています。それまで日野(日野車体)は石川県、
いすゞ(いすゞバス製造)は栃木県にバス製造拠点を持っていましたが、事業統合により
2006年現在、拠点はそのままにして観光・高速系は石川、路線系は栃木で製造されていま
す。しかし、将来的にはバス生産拠点も(観光・高速系、路線系共)石川に完全統合させる
計画があるようです。

●日産ディーゼルと三菱ふそう 相互OEM供給

ジェイ・バスの誕生で大きなバス再編劇はしばらく一段落かと思われましたが、
日産ディーゼルと三菱ふそうが国内の大型・中型バス事業強化の為、2008年4月以降の
新長期排ガス規制適合車発売を機に、相互に完成車とエンジンをOEM供給された形で
販売されています。
相互OEM概要は以下のとおりです。
◎バス完成車
日産ディーゼルより三菱ふそう
大型ノンステップ路線バス、中型バス全般 を供給
三菱ふそうより日産ディーゼル
大型観光バス、大型路線バス(ワンステップバス・ツーステップバス)を供給
◎バス用エンジン
日産ディーゼルより三菱ふそう
大型バス用の新長期排ガス規制適合車に搭載用エンジン
三菱ふそうより日産ディーゼル
中型バス用の新長期排ガス規制適合車に搭載用エンジン

三菱ふそうよりOEM供給される大型路線バスのエンジンは日産ディーゼル製、
日産ディーゼルよりOEM供給される中型バスのエンジンは三菱ふそう製
という変則的なOEM供給となっています。
なお、日産ディーゼル大型観光バス、大型路線バス(ワンステップバス・ツーステップバス)は
三菱ふそうからOEM供給後も継続生産されています。(2009年1月時点)



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